信時潔研究ガイド

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東京藝術大学附属図書館の、信時文庫の貴重資料の検索は、以下のサイトをご利用ください。

「東京藝術大学附属図書館 信時文庫貴重楽譜データベース(試行版)」
http://jmapps.ne.jp/geidailibnobutoki/
また、同図書館OPACにも、蔵書等のデータが登録されています。

の・ぶ・ろぐ 2 (日々の動きやニュースなど)

グリコのおまけ『軍歌集』に「海行かば」

2023年8月16日 13時57分

神奈川近代文学館で開催されている企画展「『おまけ』と『ふろく』展 子どもの夢の小宇宙」に行ってきました。(9月24日まで開催)

その中に、グリコのおまけで有名なあのグリコの、「引換え賞品」として、「軍歌集」が出ていました。「おまけとふろく展」で、信時作品に出会うとは全く予想していなかったので、驚きましたが、確かにあの時代であれば、そのようなことはあったかもしれません。

展示キャプションを書き留めてきた情報は以下の通り。

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面白くて為になるグリコ文庫(2)
軍歌集 
1936年7月〜1940年 グリコ
編集 宮本順三
グリコの引き換え賞品
*「海行かば」などの歌詞と楽譜を収録 
個人蔵
附録 ジツクサウあそび
グリコ株式会社編
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「海行かば」が、信時潔作曲の「海ゆかば」であるとすれば、それが掲載されているものは、初演、初出と同時ではないと思うので、おそらく1938年以降ぐらいの刊行だろうと思われます。1936年7月〜1940年と記載されているのは、展示の担当者か資料の所蔵者の推定なのか、あるいは奥付に初刷から何刷目までの刊行年を列記されているのかもしれません(だとすると1936年7月刊行分には「海行かば」は掲載されていなかったでしょう。)
展示は表紙が出ているので、中を見ることはできず、「歌詞と楽譜を収録」と言うのは、全曲なのか、一部なのか「海行かば」の楽譜も含まれるのか、わかりません。歌詞が多くて、中に数曲楽譜もある、という軍歌集、唱歌集もよくあります。とくに「数字譜」とは書いていないので、旋律譜でしょうか?もちろん、ピアノ伴奏譜などは無さそうです。

「編集 宮本順三」は、グリコのオマケのデザイナーで、同展のほかの部分で詳しく説明されています。記念館 https://www.omakeyazunzo.com/ が大阪にあるそうで、いつか訪ねてみたいです。「編集」といのは、グリコのオマケ全般の編集担当者ということなのか、あるいはこの「軍歌集」のデザイン、選曲、配列まで?

ここからは、「海行かば」には関係ないところですが、「附録 ジツクサウあそび」とあるのは、この「軍歌集」に附録が付いているということでしょうか?展示室で私が写し間違いをしていなければ、たしかに「ジツクサウあそび」と書いてありました。ジツクサウ?じつくそう?字尽くそう?・・・何かと思ったのですが。同展には、数々の紙製の附録やオマケ、すごろくや、紙製の組み立ておもちゃ等が出ていました。もしかすると「ジグソウパズル」の「ジグソウ遊び」かもしれませんが、真相は不明。・・・気になります。

神奈川近代文学館の蔵書であれば、展覧会終了後に資料閲覧に行きたいところですが、「個人蔵」とあるので、難しそうです。

ここまで書いてから、気になって検索してみたところ、以下の二つが見つかりました。表紙は展示してあったものと似ています。古本屋さん、販売履歴を残してくださっていてありがとうございます。
https://kogundou.exblog.jp/241576881/
https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=4682585

どちらも「グリコ文庫(2)」とありますが、この二つは「附録」が違うので、いくつか版があったようです。(前者の裏表紙は確かに附録の「碁あそび」になっていますが。後者は表紙に「附録・ジツクサウあそび」、商品解説欄に「附録欠」とあり、残念ながらジツクサウあそびの真相は不明)

なお、https://kogundou.exblog.jp/241576879/ によると、「グリコ文庫(1)」にも「海ゆかば」の記載がありました。

これ以上追求すると、もうそこは、コレクターさんの世界なので、この辺で。