「海道東征」全曲初演ソリストの名前
解説書のp.117に、「海道東征」全曲初演ソリストの名前は、「東京音楽学校生徒としての演奏であったため公式には書き残されていない」と書きましたが、これは間違いでした。 私が見落としていたことがわかりました。
演奏会「皇紀二千六百年奉祝芸能祭制定 新日本音楽・音詩・交声曲作品発表演奏会」(日比谷公会堂 昭和15年11月26日)当日のプログラムで、隣の曲(山田耕筰作曲 音詩「神風」)の演奏者と、海道東征の演奏者をまとめて書いてあったため、見落としていました。 その日の夜8時からの実況中継放送の番組表(当日の新聞のラジオ欄)を見たところ、ソリストの名前が全員挙がっていることがわかり、プログラムを再度確認したところ、判明しました。
ソリストの個人名は明かされなかった、と信じてしまった、もう一つの理由は、解説書p.112にも参考文献として挙げた 座談会「『海道東征』に就いて」(『音楽評論』 1941年3月号)でも、「あの中で(注:海道東征レコードのこと)歌っている人達の名前はこの雑誌が出る頃には発表してはいけないんださうですね」とあったことです。(ほかにも、卒業までは個人名を明かせない、としたものを見たような覚えがありますが、今すぐ確認はできません)
そこで、全曲初演時のソリストをここに書いておきます。
レコード録音のソリストとは、一部違っています。日比谷の公演のすぐあとの
大阪公演のソリストは、記録が残っていることがわかっていましたが、日比谷での初演と同じでした。
管絃楽 東京音楽学校管絃楽部
合唱 東京音楽学校生徒
ソプラノ 山内秀子 朝倉春子
アルト 進藤梅子 千葉靜子
テノール 柴田睦陸
バリトン 藤井典明
バス 中山悌一 栗本正
児童合唱 上野児童音楽学園
*「皇紀二千六百年奉祝芸能祭制定 新日本音楽・音詩・交声曲
作品発表演奏会」 (日比谷公会堂 昭和15年11月26日)
プログラム による