沙羅
本サイトの「演奏奏会・イベント情報」ページでもご案内している、音友ホールの日本歌曲シリーズの <信時潔 没後45年に寄せて>は、久々の信時作品連続企画です。去る2月22日に行われた同企画第1回コンサートでは、ベテランから若手まで、日本歌曲の名演奏家が、これもべテラン伴奏者塚田佳男先生の伴奏で、しかも全曲畑中良輔先生の解説付きで、演奏されました。
畑中先生は、歌曲集「沙羅」の全8曲についても、それぞれご自身の経験や思いを話されたのですが、「沙羅」については次のようにコメントされました。
一番の傑作「沙羅」。
露(つゆ)一滴(いってき)落ちる音。
音の無い世界を音で現わす。
信時作品の中でも最高の歌曲だと思う。
これだけでも詩になりそうな、CDの帯に使えそうな言葉です。
実は私、これまで、歌曲集のタイトルは何故「沙羅」なのだろう、曲のスケール、完成度からいって、最高なのは、第一曲の「丹沢」だろうに、と思っていたのですが。
何度も聴き、歌い、指導していらして、今年米寿を迎えられた先生の言葉に、ふと気持ちが停まりました。
「信時潔」シリーズ演奏会は、このあと4月14日、6月18日の公演があります。名演奏と、名解説を、是非多くの方に聴いていただきたいと思います。