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No-b-log の・ぶ・ろぐ過去記事

2013年4月20日 00時00分

「帰去来」楽譜 ダ・カーポ or ダル・セーニョ?

昨年(2012年)9月に「帰去来」の楽譜を出版しました。

同楽譜の「校訂報告」に詳細を書いたのですが、
校訂作業を進めていた時には、初演者に渡ったであろう浄書譜(それが決定稿)の
所在がわかりませんでした。

その後、柳川の白秋記念館から、「自筆譜」(と言われている手書譜)の
「コピー」が見つかったという知らせをうけました。
見せていただいたところ、自筆譜ではなく、ミイによる筆写譜であることがわかりました。

ただし、初演者が使ったものではなく、
初演から10年以上過ぎた昭和35年頃
演奏したいが楽譜がない、というような問い合わせにこたえて
信時家にあった浄書譜を送ったもののようです。

昨年校訂した楽譜で、判断した部分が、正しかったかどうか、
気になる部分を調べてみたところ、ほとんど判断したとおりで大丈夫でした。

ひとつだけ残ったのが ダ・カーポ or ダル・セーニョの件です。

昨年出版した楽譜は、結局、第40小節に「D.S. al Fine」(セーニョまで戻って、フィーネで終わる)の
指示をいれて、第3小節の冒頭に「セーニョ」の記号を置きました。
新たに見つかった楽譜は、第40小節には「Da Capo al Fine」とあり
しかも、第3小節の冒頭に「」の記号が付いています。

(自筆譜ではDa Capo al segno。詳細は「校訂報告」参照)

音楽記号ではない、この謎の*マークは、セーニョマークの代わりだろうと、私には思えるのですが。

Da Capo(冒頭に戻れ)と書いてあるとおり、曲の冒頭に反復記号も付いています。

第40小節から
「冒頭に」戻りたかったのか、それとも
「セーニョマークに」戻りたかったのか???

この謎は解けませんでした。