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No-b-log の・ぶ・ろぐ過去記事

2009年3月10日 00時00分

昭和戦前期『音楽教育研究』『音楽教育』総目次

CD『SP音源復刻盤 信時潔作品集成』 Disc 1-17に収録されている「皇后陛下御誕辰奉祝歌」の解説では、1941年(昭和16)の『音楽教育研究』という雑誌に掲載された佐佐木信綱著「皇后陛下御誕辰奉祝歌に就いて」と、信時潔著「皇后陛下御誕辰奉祝歌の作曲に就いて」を紹介しました。

実はこれは、益子九郎旧蔵資料の中から見つかった雑誌でした。(益子九郎についてはhttp://home.netyou.jp//ff/nobu/page049.htmlに詳しく書きました)

『音楽教育研究』とその改題後の『音楽教育』は、昭和14年10月の創刊から昭和18年5月の終刊まで、全42冊刊行されていますが、益子旧蔵資料には22冊が含まれていました。

まず最初にこの「皇后陛下御誕辰奉祝歌」について、ほかには載っていないほど詳しい情報が載っていることで、この雑誌が気にかかり始めました。

それから、信時潔が編纂に関わった新訂尋常小学唱歌、新訂高等小学唱歌の指導についての連載があること。もちろん信時自身は指導のことまで、具体的に関わってはいなかったと思いますが、作者、編纂者の意図するところは・・・ということから書かれているように思えました。

さらに、各冊の執筆者をみていくと、片山頴太郎、益子九郎をはじめ、信時門下の人々をはじめとして、比較的親しく行き来した人々、すなわち下総皖一、渡(のち夏目)鏡子、柏木俊夫、長谷川良夫、澤崎定之、宮内(のち瀧崎)鎭代子といった人たちが目につきました。 決して、信時潔が『音楽教育研究』の主幹とかアドバイザーだとか、そういう立場にあったわけではないのですが、何か、「信時潔の人脈が動いている」という予感がありました。

しかも、この雑誌について言及した資料が、今までほとんどないことも気にかかりました。確かに存在した雑誌、しかも雑誌の統廃合の折は、ほかの音楽教育関係雑誌が廃刊となって、こちらが残ったという雑誌なのに、今までの音楽教育史にほとんど現れて来ていないようなのです。

以上のようなことから、『音楽教育研究』『音楽教育』の総目次を作ってみることを思い立ち、CD『信時潔作品集成』解説書の校正の合間に作業をすすめました。幸い全冊の所在が判明して、目次と各記事のページを確認することができました。

思わぬ収穫----今まで見つけることができなかった信時潔関係記事も見つけました。
ことに、第5巻第3号(昭和18年3月号 編集後記によれば信時潔の朝日賞受賞を機に組まれた特集らしい)「特輯 信時潔氏を語る」に、颯田琴次、太田恒子、下總皖一、夏目(渡)鏡子、片山頴太郎が寄せた記事が載っていたのは新発見で、興味深い内容でした。

この「総目次」は、近日発行予定の『文献探索2008』(金沢文圃閣)に掲載されます。
なお、掲載記事に索引をつけることができなかったため、PDFファイル内の検索ができるように、
ウェブサイトにPDF版(「まえがき・あとがき」「総目次」の二つのファイル)をアップしましたので、
ご利用ください。
ウェブサイト「信時潔研究ガイド」 の 雑記帳のページ no.19 に、「昭和戦前期『音楽教育研究』『音楽教育』総目次」を掲載しています。