雑記帳(Q&Aなど)

寄せられた質問への回答、そのほか日々の資料整理作業の過程で思うことなど、
Q&A方式で随時書き連ねて行きたいと思います。
Q

15.男声合唱組曲『沙羅』(木下保編曲)出版譜の訂正について(2009.1.3)

A

2012年8月、音楽之友社より、以下の訂正を始めとする修正が入った改訂新版が発行されました。 
2013年3月には改訂新版第2刷が出ています。以下の記述は改訂前の楽譜に関するものです。
-----------------------------------------
音楽之友社から、現在オンデマンド出版されている男声合唱組曲「沙羅」の楽譜の間違い箇所について。
編曲者木下保の三女で、長年木下編曲「沙羅」のピアノ伴奏を弾いていらした増山歌子先生より、下記の情報が寄せられました。
*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*-―*―*―*
男声合唱組曲「沙羅」校正箇所

3p.4小節目2拍目: 左手 3連音符 h,e,g→h,d,g。(自筆譜確認済み)
3p.8小節目3,4拍目: セカンドテナー 4分音符 g→fis。
 (演奏者の判断によるが、ピアノの和音を照らし合わせるとfisの方が良いとも思われる)
10p.5小節目1拍目: 右手 4分音符 gis,d→f,gis,d。(12小節目と同じ)
12p.9小節目1拍目: 右手 付点4分音符 f→4分音符。
       2拍目裏:8分休符を取る。
16p.6-7小節目:  ペダル記号を付け加える。
(最後の小節ppの所は、沙羅の花びらが落ちる表現を生かすためペダル無し)
20p.11小節目2拍目: 右手16分音符 アクセント記号を取る。
21p.4小節目3拍目: 右手8分音符 e, gis→4分音符。(高音のhとcisのみ8分音符)
21p.9小節目2拍目: 右手16分音符 アクセント記号を取る。
22p.8小節目1拍目(最後の小節):dim.の線を無くしてppの記号を1拍目に移す。
27p.14小節目1拍目: 3つのナチュラル記号(c, a)は必要無いので取る。
27p.15小節目(最後の小節):自筆譜によりペダルを付け加える。
28p.8小節目3拍目: テナー c→es,セカンドテナー a→c 。
30p.8小節目?9小節目:ピアノの部分のdim.の記号を一つにする。
31p.3小節目3拍目裏:右手8分音符 desの♭は必要無いので取る。
31p.8小節目(最後の小節):ピアノにペダル記号を付け加える。

<校正ノート>
*ピアノの部分の校正が圧倒的に多いので「右手」「左手」とのみ記した。
*ペダルに関しては、自筆譜により作曲者自身の手で書かれた部分3p.16p.27p.30p.31p.のみ記し長さを修正したが、出版されている独唱曲においては信時夫人のミイが清書したペダルの長さになっている。
*合唱の部分の強弱の記号については、木下保自身の演奏経験によって付け加えられている。
*今回合唱組曲の編曲の元となった"慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団のために 男声合唱曲「沙羅」"の楽譜等も参考にして校正した。
*スラーとペダル記号は自筆譜により最小限度記した。
                            増山歌子(ピアニスト)