日本近代音楽館編『明治の作曲家たち』日本近代音楽館, 2003.10
という資料があって、私も時々自分の調べものやレファレンスで使っています。
NDL-OPAC http://id.ndl.go.jp/bib/000007632927
CiNii-Books http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA64491959
目録に内容注記がないので、自分のおぼえ用を兼ねて、内容を以下に書いておきます。
ただし、刊行から年数が経ってますので、最新研究情報はほかで補ってください。
目次には「本冊子は明治期の作曲家26名のプロフィール集である」とあります。
林廣守 はやし・ひろもり p.3
東儀季熈 とうぎ・すえなが p.4
東儀季芳 とうぎ・すえよし p.5
芝葛鎭 しば・ふじつね p.6-7
伊澤修二 いさわ・しゅうじ p.8-9
上眞行 うえ・さねみち p.10-11
シャルル・ルルー Charles Edouard Gabriel Leroux p.12-13
フランツ・エッケルト Franz Eckert p.14-15
古矢弘政 ふるや・ひろまさ p.16-17
奥好義 おく・よしいさ p.18-19
四竈訥治 しかま・とつじ p.20-21
小山作之助 こやま・さくのすけ p.22-23
永井建子 ながい・けんし p.24-25
納所辨次郎 のうしょ・べんじろう p.26-27
鈴木米次郎 すずき・よねじろう p.28-29
瀬戸口藤吉 せとぐち・とうきち p.30-31
東儀鐡笛 とうぎ・てってき p.32-33
多梅稚 おおの・うめわか p.34-35
山田源一郎 やまだ・げんいちろう p.36-37
幸田延 こうだ・のぶ p.38-39
北村季晴 きたむら・すえはる p.40-41
田村虎藏 たむら・とらぞう p.42-43
岡野貞一 おかの・ていいち p.44-45
瀧廉太郎 たき・れんたろう p.46-47
三善和氣 みよし・かずおき p.48-49
小松耕輔 こまつ・こうすけ p.50-51
以上
元日の午前11時00分~11時50分、NHK-FM、塚田佳男先生の番組「にっぽんの歌 こころの歌」で、信時作品が放送されました。
番組サイトによる演奏曲目情報に、参考情報のリンクを追加しました。
「“小倉百人一首より”から“月見れば”」
大江千里・作歌、信時潔・作曲(1分15秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
「“小倉百人一首より”から“久方の”」
紀友則・作歌、信時潔・作曲(0分55秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
「“小倉百人一首より”から“花の色は”」
小野小町・作歌、信時潔・作曲(1分30秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
「“小倉百人一首より”から“淡路島”」
源兼昌・作歌、信時潔・作曲(1分35秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
「“小倉百人一首より”から“逢うことの”」
中納言朝忠・作歌、信時潔・作曲(1分25秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
「“小倉百人一首より”から“人はいさ”」
紀貫之・作歌、信時潔・作曲(1分30秒)
(ソプラノ)青山恵子(ピアノ)塚田佳男
~東京・音楽の友ホールで収録~
(2000年1月26日)
「“紀の国の歌”から“和歌の浦に”」
山部赤人・作歌、信時潔・作曲(2分50秒)
(指揮)畑中良輔(ピアノ)塚田佳男
(女声合唱)リラ・アンサンブル
「“紀の国の歌”から“巨勢山の”」
坂門人足・作歌、信時潔・作曲(2分25秒)
(指揮)畑中良輔(ピアノ)塚田佳男
(女声合唱)リラ・アンサンブル
「“紀の国の歌”から“くるしくも”」
長忌寸奥麿・作歌、信時潔・作曲(1分35秒)
(指揮)畑中良輔(ピアノ)塚田佳男
(女声合唱)リラ・アンサンブル
「“紀の国の歌”から“三熊野の”」
柿本人麿・作歌、信時潔・作曲(2分30秒)
(指揮)畑中良輔(ピアノ)塚田佳男
(女声合唱)リラ・アンサンブル
~東京・音楽の友ホールで収録~
(2010年4月14日)
「“小品集”から“わすれな草”」
ウィルヘルム・アーレント作詞、信時潔・作曲(1分47秒)
(ソプラノ)大貫裕子
(ピアノ)塚田佳男
「幻滅」 北原白秋・作詞、信時潔・作曲(2分01秒)
(ソプラノ)大貫裕子
(ピアノ)塚田佳男
「をみな子よ」 北原白秋・作詞、信時潔・作曲
(1分10秒)
(ソプラノ)大貫裕子
(ピアノ)塚田佳男
「ばらの木」 北原白秋・作詞、信時潔・作曲
(0分47秒)
(ソプラノ)大貫裕子
(ピアノ)塚田佳男
「つなで」 北原白秋・作詞、信時潔・作曲(1分04秒)
(ソプラノ)大貫裕子
(ピアノ)塚田佳男
「歌曲集“沙羅”から“丹澤”」 清水重道・作詞、信時潔・作曲(3分50秒)
(バリトン)竹澤嘉明
(ピアノ)塚田佳男
「歌曲集“沙羅”から“北秋の”」清水重道・作詞、信時潔・作曲(1分50秒)
(バリトン)竹澤嘉明
(ピアノ)塚田佳男
「歌曲集“沙羅”から“鴉”」 清水重道・作詞、信時潔・作曲(1分15秒)
(バリトン)竹澤嘉明
(ピアノ)塚田佳男
「歌曲集“沙羅”から“行々子”」清水重道・作詞、信時潔・作曲(1分30秒)
(バリトン)竹澤嘉明
(ピアノ)塚田佳男
「やまとには」 舒明天皇・作歌、信時潔・作曲(5分50秒)
(指揮)遠藤磯雄
(合唱)明治大学混声合唱団
慶應義塾塾歌のCDの発売予告メールが届きました。
CDのタイトルは『慶應の歌』
「昭和30年代に、猛練習に明け暮れていた、男声合唱による貴重音源。
初めてのCD化となりますが、青春の息吹まで感じとれるすばらしいものです。
ボーナストラックには昭和40年代のステレオ録音による名演奏
そして藤山一郎、伊藤久男、霧島 昇による歌唱も特別収録です。
ジャケットも当時のLPデザインを復刻しております。」
とのこと。
発売予定日は2015年2月18日。
こちらは学習院院歌の周辺について、まとめられた論文です。
千葉糺「院歌の周辺―安倍能成 信時潔 岩波茂雄 頭山満」
『学習院高等科紀要』第12号 p.220-248
信時潔作曲「兵庫県民歌」という楽譜が、確かに信時蔵書の中に存在するのですが、
兵庫県は「県民歌は存在しない」と言っているそうです。
その謎が、以下の記事で解き明かされています。
失われた『兵庫県民歌』を求めて──1947年制定の県民歌はなぜ「存在しない」ことにされているのか?
http://getnews.jp/archives/655664
田中ひな子先生の御著作『善意通訳』(編集工房ノア)が届きました。
50年前のオリンピックでの「お・も・て・な・し」を描いた標題作(1966年直木賞候補)とともに、書き下ろしの「軍隊行進曲」の中に「海ゆかば」の章があります。
憧れの「軍隊行進曲」をピアノで練習していた主人公比沙子が、疎開先で聴いた「海ゆかば」です。
科研費研究課題「信時潔に関する基礎的研究―作品・資料目録データベースの作成と主要作品の研究」の研究成果中間報告の第一弾として、
11月8日(土)日本音楽学会全国大会(開催場所:九州大学大橋キャンパス)で
以下の報告とパネルディスカッションが行われます。
パネル1(10:25~12:35 音響特殊棟録音スタジオ)
Composer Bigins ― 信時潔の最初期の活動とその背景
コーディネーター:大角欣矢
パネリスト:花岡千春、片山杜秀、信時裕子
主な内容
1)信時作品資料研究の現状と課題(信時裕子)
2)信時の作曲家としての出発とその背景を巡って(片山杜秀、大角欣矢)
3)信時の最初期の作品を巡って(花岡千春、大角欣矢)
※ピアノ曲≪Variationen(越天楽)≫(1917)の実演(おそらく公開演奏としては世界初)も行われます。
参加についての詳細は下記のサイトでご確認ください。
音楽学会全国大会案内 http://sound.jp/msjkyushu2014/
大会プログラム http://sound.jp/msjkyushu2014/program.html
家にあったスクラップから、1964年朝日新聞「新・人国記」の信時潔に関する記事が出てきました。
5月11日夕刊の二面。信時に関する部分は600字ほどですが、亡くなる前年に、よく取材して書かれていて、これは間違っている、と気づくところが少なく(なかなかそういう取材記事はないものです)、しかもいかにも信時の口調とか、ことば使いだと思うところがいくつもあります。
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実父が大阪江戸堀のキリスト教会の牧師をしているときに生れた。美作の出身で、はじめ役人をしていたが、新しくはいって来たプロテスタント精神に感じて聖職に転じた人である。
音楽家になるか、画家になるか、迷いぬいたが、やっと東京音楽学校の試験が先にあったので受験した。
短歌の作曲を「ずいぶんしつこく」百曲ほどもやってみた
作品には独逸の古典音楽と東洋の旋律の合金が多い
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太字の部分が、いかにも信時潔の言い回し、信時だから言える事だなと私が思った部分ですが、いかがでしょうか。
掲載紙
『朝日新聞』 1964年5月11日 夕刊 2面
新・人国記(570) 大阪府前編(24) 海ゆかば
※『新・人国記』は単行本にまとまっているようですが、未確認です。
香月隆著『【評伝】まぼろしの歌姫 荻野綾子』(荻野綾子顕彰会 2014.2)を読んでいます。
信時潔ともいくつか接点があり、まだはっきりわかっていないこともあるのですが。
この本で新しくわかったことがあったので記録しておきます。
[昭和13年]4月に太田(旧姓荻野)綾子の夫太田太郎がJOAKの洋楽課長に就任したあと、同年8月に「BKで「銃後婦人の夕」と題して信時潔、橋本國彦、山田耕筰らの新しい曲に合わせ、興国短歌を朗誦している。」とあります。
この新曲(?)が何か、記憶になかったので新聞データベースを「荻野綾子」「銃後婦人の夕」等で検索してみたところ
朝日新聞 東京版 昭和13年8月13日朝刊
朝日新聞 大阪版 昭和13年8月13日朝刊
読売新聞 昭和13年8月13日朝刊
のラジオ欄にそれぞれ記載があり、金子基子作歌「国挙る」(国こぞる)が初演されたらしいことがわかりました。
「国こぞる」は国民歌謡の枠で13年10月3日から放送されていますが、荻野綾子が初演していたとは初めて知りました。
香月氏の書きぶりから、世間体を気にしてBKからのみ放送されたのか、と思ったのですが、実際にはAKでも放送されたようです。
朝日の東京版では「太田綾子」、朝日の大阪版では「荻野綾子」の名前になっていて、たしかに何か事情というか、配慮があったように感じます。
一方読売新聞では、「太田AK洋楽課長夫人荻野綾子さん」とあり、それだけ見れば、荻野さんご結婚されたのか、と思う程度でしょうか。
では、本の続きを読むことにします。
本の入手はこちらでできるようです。
http://www12.ocn.ne.jp/~poemq/ayako.html
(2021年9月現在「評伝 まぼろしの歌姫荻野綾子」 Kindle版 全5点が出ている)
作曲家の自筆譜を調べていると、五線紙の商標が、時に作曲や作譜の年代を考える参考になることがあります。
信時潔の資料には、あまり多くはないのですが、マルティーノの五線紙がいくつかあります。
その中にマルティーノの商標の横に Dai-nippon printing とあったり、
Manufacture and Distributor Tokyo-sha と書かれていたりして、それによって
更に年代が狭められるのではないかと期待して、
現在もある「マルティーノ東京社」さんに、社の歴史などをお尋ねしました。
http://www.martino.jp/ のサイトにあるカタログの表紙には「創業1950年」とあります。
それ以上のことについては、現在の「代表者」様には、わからないとのことで、先代の伊藤宣二(よしじ)様をご紹介いただきましたが、残念ながら連絡がつきませんでした。
参考までに:下記の写真は、私が20年以上前に購入した楽譜の商標です。
東京藝術大学総合芸術アーカイヴセンターの
東京音楽学校が作った“うた” のページ http://archive.geidai.ac.jp/597で、「時代背景などから現在は歌われていない作品」として信時潔作曲「われらは太陽民族(ひのたみ)」に関する資料、歌詞原稿、楽譜のデジタル画像、および東京藝術大学音楽学部声楽科学生有志による演奏が公開されています。
この作品は信時潔が東京音楽学校教授だった大正13年に、新潟県知事からの依頼をうけて作曲したものです。公開されている手稿譜は、作曲者自筆ではなく、妻ミイによる浄書譜です。
2012年春のコレクション展(東京藝術大学大学美術館)でも展示・公開されていました。(https://nobutoki.com/plugin/databases/detail/25/54/1991#frame-54 参照) (URL訂正2021年9月)
「われらは太陽民族(ひのたみ)」に関する資料、楽譜のデジタル画像、東京藝術大学音楽学部声楽科学生有志による演奏はこちらです。
(2021年9月 リンク切れのためURL削除)